歌を唄うという事

歌を唄うという事

ギターを弾きながら歌うって、慣れてしまえば何も持たずに歌うよりも楽だと感じる事があります。

何か楽器を持っていないと落ち着かなくなるんですね。

私は普段ギターを弾きながら歌うのですが、先日はじめてギターを持たずにピアノとのデュオで歌を歌いました。

数曲、ジャズのスタンダードを歌ったのですが、ピアノの音色ってやっぱりいいものですね。

こういうアンサンブルに慣れていないのと、ギターを持っていない事が重なり最初は戸惑いました。何しろ私はヴォーカリストではない、普段はギタリストとしてステージに上がっているのですから。

歌だけだと、それは音楽ではなく、詞章を伝えるメッセージであると個人的には考えています。つまり、ギターやピアノなどの楽器とはロジックが全く違う。

これまでの私は、歌うためにギターを弾くのではなく、ギターを弾くついでに歌うといった感じで、歌についてしっかりと意識した事はありません。その時々の自分の気持ちに素直になればいいだけだと考えていたのです。

この日一緒に演奏して下さったのは、著名なアレンジャーで、私が歌を歌う事はご存知ありませんでした。

ある日、どこで聞いたのか「君、歌も歌うんだって?」と言われたのがきっかけとなり「一度聴かせてみてよ」と、スタジオと化しているご自宅に招かれ、あれこれと歌ってみたのです。

そこで、「一度ギターを持たずに歌ってみてはどうか?」という話から、今回のような事になったのですが、ギタリストが歌だけを歌うというのはこれまた恥ずかしいものです。

普段歌っているとはいえ、専門外の事を人様の前でご披露するというのは緊張します。それでも5曲ほどピアノの伴奏に合わせて歌いました。

そもそもこれまで積極的に歌わなかったのは、以前ある人から「歌はやめておいた方がいい」と言われた事が引き金となったのですが、今回は逆に「ギターよりも歌だけの方がいい」とアドバイスを受けたのが私の背中を後押ししてくれたのです。

私はこの方の音楽的センスに心酔している一人。過去に何度か自身の演奏にご参加いただこうと試みたのですが、いつも返事は「NO」だっただけにお誘いがあったという事が驚きでもあり、喜びでもあります。

「まだまだ訓練は必要」という前置きがある状態ですが、この方と今後ご一緒させて頂く事になりました。

あの素晴らしいピアノに合わせて歌うなど、想像もしていなかっただけに、これからがとても楽しみなのです。