バランス感覚

バランス感覚

恋愛において、また、ビジネスシーンにおいても自分をアピールする事は非常に重要だと言われています。

数多くの相手から勝利を奪い取るという「競争志向」においては、この論法はある意味正解なのかもしれません。しかしながら、それを実践したからといって必ずしも勝利するとは限らないのが世の常。

自己アピールというのは、実は非常に高等なテクニックを要するもので、一歩間違えると「自己自慢」や「エゴ」にすら解釈されかねない危険な要素を含んでいます。

つまり、使いこなせないのに乱発すると、目論みは成功どころか、どんどん思惑とは別の方向に向かっていく。

私は以前、本業の傍らで余った時間を有効活用しようと、ショットバーを経営していた事があります。

本業を持ちながら、副業としてバーを経営するという二重生活で数年間を過ごしました。

ダーツバーでもなければ、ジャズバーでもなく、オーセンティックな正当派の佇まい。

当初は近くの男性客を見込んでいたのですが、意外にもお客様で来られるのは女性客ばかり。それもお一人様の多い事。

聞くと、このあたりで女性が安心して遊べる「夜のお店」がないそうで、そういうところにニーズが合致したようです。

オーセンティックな雰囲気に合わせ、必要最低限の会話をこちらが投げかけて、後は返ってくるお客様の話に頷くだけ。

時に「それで?」「ほう、それはそれは大変でしたね」などと、大した返事を返す訳でもないのですが、ここだけの話、この時期はとてもモテました。

これは、前述の「自己アピール」とは全く逆の視点で、「相手を理解する」事にポイントを置いたコミュニケーションです。

自分の情報を発信する前に相手を知る、つまり興味を持つ行為がとても重要。

「興味を持っているので、私の事を知って」と、機関銃のように自分の事を話すのは、相手への興味以上に自己愛の亡者と捉えられ、そこからは余裕のなさや、エゴの強さを感じ取ってしまう人が多いようです。

だからといって、相手の話をただ頷いて聞くだけでは、何を考えているのか分からない謎の人で終わってしまいます。

そこで重要なのが、バランス感覚。

よく、聞くと話すの割合は7:3程度と言われますがあれは正解でしょう。私の経験では8:2でもいい加減なくらいです。

これだけで人間関係がうまくいくなら、何もしんどい自己PRに心血を注ぐ必要もなく、これといったテクニックも不要。

これまでの機関銃話法をちょっと変えてみるだけで、また違った世界が見えてくるのかもしれませんね。